公立中高一貫落ちたところから始まるブログ。

ムスメ1が公立中高一貫落ちました。高校受験はがんばってほしいです。下に二人も控えてます。受験話+海のある町に住む家族の日常を綴りたいと思います。

高校受験シリーズ1.内申制度とは何か。

高校受験シリーズ1は、「内申制度とは何か」です。

中受界隈で多い意見に、「とにかく内申が無理」というのがあります。

それは正論だと思います。確かに、提出物やら、関心意欲態度やら、主体性とやらを加味される内申点。テストの点だけでスッキリとつくわけでなく、とても不透明に見えます。

しかしながら、私は疑問に思ってしまいます。

内申は確かに「不透明」。しかし、「難度」はどうか?

中学受験をするような子にとっては、地元公立の授業ってすごく簡単だと思うんです。そんな簡単な授業で「高い内申点を取ること」と、「志望校のR4偏差値を取ること」、果たしてどっちが難しいのでしょうか?

私は後者だと思いますね。いくら内申が不透明でも。

内申点はとかくホットなテーマです。それについて、次項より書いていきます。

 

(1) 内申点は、悪者ですか?

上述したように、諸悪の根源と思われがちな内申点。しかし、実は「子どものためを思って最適化されたシステム」という側面もあると思います。

そう言える理由の一つは、高校受験だと「内申で事前に合格が取れる!」ってとこです。

 

「単願確約(専願)」は、「他の学校を受験しない」ことを条件に、各学校が定めた内申基準を満たしていれば、合格を確約するシステムです。学力検査はありますが、よほどのことがない限り合格です。

 

「併願確約」「併願優遇」は、他私立や公立が第一希望であるときの入試方法です。

こちらも各学校が定めた内申基準を満たしていれば、ほぼ合格が出ます。

神奈川県の例でいくと、県立トップの翠嵐、湘南高校を受験する子が併願確約するのは、山手学院特進や桐蔭アドバンス、少し下がって日大藤沢など。

 

さらに、併願確約校がやや物足りない場合、より難易度の高い学校に、オープン入試でチャレンジすることもできます。

神奈川でいうと、第一志望校:横浜翠嵐、併願確約校:山手学院、チャレンジ校:学芸大附属 みたいなパターン。東京だと、埼玉の学校で併願確約を取って、豊島岡女子学園早慶にチャレンジ、みたいなパターンがネット上で見られる(豊島は、もう高受なくなっちゃうんですけどね・・)。

 

内申に縛られる中学生活は窮屈そう。だけど、

内申点で事前に合格を取ることで「全落ち」を防げること。「来ていいよ」と言ってくれる学校を確保して、子どもが余裕を持って受験に臨めること。

・当日試験の一発勝負でなく、受験生の努力を事前に分散させられること。

・学力に表れない、コツコツ頑張る子を拾えること。

 

って考えると、内申って悪者じゃなくて、実は子どものためのしくみなんじゃないでしょうか。

あ、内申制度のメリットとして、校内のワルが内申を盾に取られて落ち着くっていうのもありますね。

 

 

(2) 内申点の付き方、理不尽ですか?

とまれ一般の保護者から見ると、内申点を付ける過程って見えないし、我が子が内申取れなかったらどうしよう、と思われるかもしれません。

私は、仕事上、かなり中学校の中の人と近いですし、塾講師経験もあるので言いますが、内申ってそこまで不合理な付き方をしないものです。中学校って、一人の先生が付けた成績を、教科の先生、担任の先生、学年の先生、いろんな人の目で見ますので、おかしな点があれば誰かが指摘します。

また、テストの点(実技教科は実技)に最も依るところが大きいですので、見てそんなに、「なんでこの成績!?」ってこともない気がします。

うちの中2の娘1のせとか、一番良かったときで英数国理社の5科目の定期試験の点合計が476点だったんですが、その回の成績はちゃんと、4科目は5がつきました(理科だけ次のテストでやらかしまして3でした・・・)。実技は、運痴(私に似た)で音痴(私に似てない)の娘なので、イマイチ。

娘の中学校がすごく内申点が取りやすい学校ってわけでもないんです。せとかの塾の先生曰く、「すごく内申が取りづらくもなく、すごく取りやすくもない。いわゆるフツーの学校」とのことです。

あと、うちの娘がすごく優秀てわけでもないです。中学受験の時は、適性型で受けれる私立1校のみ合格を取りましたが、その私立はN42なので、せとかの中受当時の偏差値はN42だと思います。

 

(3) そもそも内申って、要りますか?

ここまでずっと内申バナシをしてきましたが、そもそも論。「そもそも内申って要る?」

答えは「否」です。だって、神奈川の高校受験って、内申不要の枠があるんだもん。

神奈川県の場合、全ての県立高校が、10%程度、内申不問で当日点のみで取ります。

東京都にはそういう内申不問枠はないですけど、ある意味東京都は、全国で最も内申の重要度が低い自治体かも。なぜなら、東京都立の上位校は、「自校作成問題」実施だからです。他の都立高校で用いている「都立共通問題」を使わず、自校で作成した難しい問題を出します。なので、上位都立高校は、当日一発勝負の意味合いが他の自治体よりはるかに高い、というわけ。

 

でも、「そういう内申不問の枠って、当日点すごく高くなきゃ入れない、狭き門でしょ?やっぱり内申が高い方が有利でしょ?」というご意見もあると思います。

ところがそれがそうでもない。衝撃的なデータなんですけど、娘の塾で見たデータ。某、神奈川県の上位県立(翠嵐、湘南に次ぐ学校です)について、塾内の不合格者と塾内の合格者のそれぞれの内申点の平均を出したデータがあります。なんと、塾内合格者の方が、塾内不合格者より内申平均が低いんです!内申はないけど実力がある子の方が、内申が高い子より受かってるってこと。事実、東京、神奈川の上位校は、どんどん当日点重視の方向に言っているようです。

さらに、多くの高校受験塾で、「内申関係なく、当日点でこれだけ取れれば合格」という指標を出していると思います。神奈川県トップの湘南、翠嵐だと、当日点がだいたい「6教科で500点」で受かると言われてます(あくまで目安)。英数国理社の共通問題で450点、「特色検査」で50点。これは、越えられない壁ではないと思います。

 

と、ここまでつらつらと書きましたが、まるで自分が内申制度のプロパガンダみたいに思えてきました。

そんなつもりは毛頭ないです。今回の記事、志を持って私立中高一貫校を目指す方々にはまったく必要ない情報だと思います。我が家も、娘2ユズを高校受験させる気は毛頭なく、その教育と環境に、夫婦で惚れ込んだ公立中高一貫校を目指しています。

でもね、思うんですよ。
うちの娘たちは、トップ中学に易々と受かるような天才ではない。まったくの凡人です。
で、凡人娘1せとかが、だいたいやったなりの内申点が取れている傍らで、凡人娘2ユズは毎週のテストに四苦八苦してる。
うーん。たぶん、内申と戦う方が楽だよね。

シリーズ2に続きます。
ちょっと更新に間があいでしまうかもしれないんですけど・・・それでも近いうちに!

 

参考:神奈川県私立高校 入試の仕組み | 学習塾ステップ(STEP) (stepnet.co.jp)